子育てってみんな同じ♪ ~自閉症はやがて個性へ~

重度の自閉症児と言われた我が子が、普通の大学生へと成長していきました。その道のりを現在の状況やタイムリーな話題も交えながら綴っていきます。

妹を受け容れる

2人目の子どもをつくっていいものか、とても迷いました。

RINを大切に育てることで精一杯の私に、もうひとりの子のお世話をすることができるのか、RINのように愛することができるのか。

ふたつのことを同時進行することが大の苦手であるこの私に。

そして間違いなく、生まれてくる子には、RINのことで将来的に何らかの負担がかかること。

それがわかっているというのに、それでも2人目を望むのか。

そのふたつの迷いがずっと残ったままの出産でした。

 

ひとつ目の迷いは、AIが生まれてすぐに消えました。

かわいくて仕方ありません。

そしてこの上なく育てやすい。

思えばRINは大変だった。

出産直後から、泣く泣く泣く・・

抱っこをしていると泣き止みますが、ベッドにおろすと途端に泣く。

眠りも浅く、やっと寝付いたと思い、そっとベッドにおろすと、途端に泣き出す。

ベッドに寝かせて、さあご飯だと食べようとするとすぐに泣き出す。

休む暇がありませんでした。

赤ちゃんというのはこれほど大変なものなんだ・・

でも、違いました。

AIはおとなしくベッドに寝ています。

静かにしていてくれる時間が確実にあります。

普通の子の子育てって、こんなに楽なんだと驚きました。

目が見えるようになる前から、笑ってくれました。

呼びかけると笑います。

RINは3歳になっても笑いません。

AIの笑顔は、私にとって100万$の笑顔でした。

 

ただ、ふたつ目の迷いはずっと残るばかりか、RINが小学生になるくらいまで、大きく膨らみ続けていきました。

AIをかわいく思うほどに、AIに申し訳なく思う気持ちが強くなります。

明らかに他の子と違う行動がどんどんと顕著になっていくRINが兄であること。

そんな家の子どもとして生まれてきたこと。

毎日のようにそれを心で詫びて、そのために流した涙は数えきれません。

 

そしてそれに拍車をかけるように、RINの拒否反応がはじまります。

RINにはAIを受け容れることが難しかったようです。

AIが発する「う~」とか「あ~」とかの声を聴くたびに「あー!!!」と叫び、それを打ち消そうとします。

AIが泣くと「ぎゃー!!」と叫んでは耳をふさぎます。

やむなくできるだけ生活空間を別にするように工夫しました。

寝る部屋まで別々で、AIは寝つくまで夫が担当し、寝ついたら夫は自分の部屋に行き、私が夜中にそちらに行きますが、赤ちゃんのAIをひとりで寝かせる時間も多かったです。

AIがお座りができるようになると、AIが声を出すたびにそれを嫌がったRINがAIを押し倒すようになりました。

AIはフローリングの床に頭を打ち付けることになります。

「RIN、やめて!」と怒鳴りますが、それはしばらく続きました。

思えば、このことがRINを育ててきての一番の苦しみだったかもしれません。

やっぱりできるだけふたりを離しておくしかありませんでした。

AIを守るために、AIをひとりぽっちの部屋に座らせておく時間も多かった気がします。

そういう生活が数か月続き、ようやくRINがAIの声に反応しなくなりました。

私とAIにとっての地獄が終わりを告げました。

RINがAIをやっと受け容れてくれました。